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口蹄疫 獣医師、全国から応援 殺処分遅れ民間活用必要の指摘も(産経新聞)

 宮崎県の口蹄(こうてい)疫問題で、発生農場だけでも16万頭を超える家畜の殺処分のため、全国から獣医師が応援に駆けつけている。命を奪う作業への苦悩を獣医師たちが吐露する中、地元では獣医師不足が殺処分遅れの一因になったという意見も。薬剤注射などで殺処分できるのは獣医師に限られるのが現状で、識者は「民間の畜産関係者の活用も必要」と指摘している。

 「トラックの荷台にいっぱいの牛の死骸(しがい)を見て『こんなに殺したんだ』と恐怖が襲ってきた」と語るのは、香川県から派遣された獣医師(29)。5月上旬に約1週間滞在し、1日約40頭の牛を殺処分した。

 現場では、埋却処分に必要な土地不足にも直面。「死骸だけでなく感染した家畜のふんの埋却も必要だが全然足りなかった」と振り返る。

 家畜伝染病予防法などでは、口蹄疫に感染した疑いがある家畜について「所有者はただちに殺さなければならない」と規定。一方で獣医師法は、獣医師以外が家畜に医療行為を行うことを禁止している。このため農林水産省は、国の機関や各都道府県の家畜保健衛生所などから1日120~130人の獣医師を派遣した。

 県によると、発生当初は獣医師が不足。地元からは殺処分の迅速な実施を求めて「獣医師がいなくてもできるように弾力的に運用してほしい」との声も上がっていた。

 酪農学園大(北海道)の林正信教授(獣医学)は「畜産業界ではもともと獣医師が不足傾向。鳥インフルエンザ対策などで自治体に採用される獣医師が増えた事情もある」と解説する。林教授は「殺処分は防疫措置など必要な知識のある獣医師でないと難しいが、今後は事前に講習を行うなどして、農家の人などが殺処分できるような新たな対策が必要では」と指摘している。

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